2025.5.16
壊れない車ロールス・ロイス
1906年設立、高級車の代名詞と言われる英国「ロールス・ロイス」。創業者の一人フレデリック・ヘンリー・ロイスは海外のクルマの品質の低さが納得できず自らクルマ作りを開始。貴族であったチャールズ・スチュワート・ロールスはロイスの先見性を見抜き、資金援助を行う。
気品ある超高級車ロールス・ロイス
気品ある超高級車ロールス・ロイス

ロールス・ロイスを代表するファントム1台に牛11頭分の革が使用されます。ヘッドライナー、ドアパネル、コンソール、シート、ダッシュボードなど。100名のレザー職人が裁断、くるみ、裁縫などにあたります。使用するするのは欧州の牛で、食用牛を処分する際余った革を使用する。
購入者の注文に応じて、革の色を変えたり、イニシャルを入れたり絵のキャンパスに見立て仕上げたりするという。オーナーの自己投影されたものがロールス・ロイスの個性となる。
1900年代仏・独に劣っていた英車

英国の自動車ブランドは、オースティン、ベントレー、ジャガー、ランドローバーなどがありますが、1900年代はフランス車、ドイツ車には性能的に及ばない状況でした。ロールス・ロイス社は航空用エンジン製造のノウハウを生かし、仏・独に負けないクルマを作ろうと考えました。エンジン、内装、外装、世界一の車造りを目指しロールス・ロイス車は完成しました。
スピットファイア

第二次世界大戦時、最高のピストンエンジンと称された、ロールス・ロイス「マーリン」があります。秀逸な基本設計と、優秀なスーパーチャージャーの相乗効果で「戦争で使うエンジン」としては他を寄せ付けない最高品質でした。スピットファイア、ムスタングといった戦闘機だけでなく、ランカスターなどの爆撃機にも使用され、それらを一流の機体にしました。
ロールス・ロイスは壊れない?

大富豪がロールス・ロイスに乗って砂漠横断の旅にでました。途中でクルマが故障。大富豪は無線機を使ってロールス・ロイス社に連絡しました。「砂漠の真ん中で故障してしまった、修理をお願いしたいのだが」と。ロールス・ロイス社のヘリコプターが新車のロールス・ロイスとキーを届けにきたのです。
大富豪は砂漠横断を遂げてロールス・ロイス社に連絡します。「助かったよ。故障してどうしようかと思っていたんだ」と言うとロールス・ロイス社は、「お客様、何かのお間違えではありませんか?わが社のクルマは壊れません」と言われたとのことです。
力道山のロールスロイス

車が趣味だった、力道山はその集大成としてロールスロイスを購入し、好みの色に塗り替える為、自動車修理工場に持ち込みました。完成直前に事件に逢い、力道山は帰らぬ人となりました。修理工場では葬儀に間に合うように徹夜で仕上げて、ロールスロイスを霊柩車として火葬場迄主人を送りました。
テレビ中継されたロールス・ロイスは話題となりました。成功者の車として「いつかはロールス・ロイス」と言われたそうです。車体が大きいので、田舎の農道などでは傷つけるかもしれません。手作業で作られる上質なレザーとウッドパネルを採用し、身体が触れる部分のさわり心地は高級感があります。