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トランプの脅しが欧州に通用しない理由

75年間世界は1つの常識の上に成り立っていました。

その常識が今音を立てて崩れています。スペインはアメリカの爆撃機に領空通過を断りました。フランスは外交を縦に事実上の拒否。

イタリアは基地施設を完全封鎖。75年の同盟関係がこれほどあっさり機能不全に陥るとは誰が想像したでしょうか?

そしてこの地殻変動は太平洋を渡って日本にも同じ問を突きつけています。アメリカという傘を信じていて本当に大丈夫なのかと。

今日はこの拒絶の裏に何が隠されているのか。そして日本がこの激変から何を学ぶべきなのか徹底的に掘り下げていきたいと思います。

まず状況を整理しましょう。アメリカはイランを相手に軍事作戦を展開しています。作戦名はオペレーションミッティブロー。直約すれば猛烈な一撃です。

この作戦を動かすには欧州同盟国の協力が不可欠でした。イギリスのフェアフォード空軍基地から出撃する爆撃機は中東まで欧州上空を経由しなければなりません。アメリカにとっては75年の付き合いなんだから当然だろうという感覚だったはずです。

結果はどうだったか?スペインの国防省が直接出てきて言い切りました。イランに関わるいかなる作戦も認めない。領空も基地も全部閉めると。フランスは外交解決が先だと言いながら実質的に背を向け、イタリアはホルムズ海峡への派遣要請を完全に無視しました。

唯一フェアフォード基地の使用を認めたイギリスでさえ防衛目的に限るという条件付きで国内世論は沸騰寸前です。冷静に考えてみてください。世界最強の軍事力を持つ国が爆撃を通してくれと頼んで同盟国に軒並み断られた。これは単なる外交摩擦ではありません。

30年内の付き合いがある人間から車をちょっと貸して欲しいと頼まれて玄関のドアを閉める。

同盟の根幹が揺いでいるということです。ではなぜヨーロッパはここまで冷たく背を向けたのか。

トランプが嫌いだからという感情論で片付ける人もいますが、国際政治はそれほど単純ではありません。感情だけで75年の同盟を蹴る国家などありません。

その理由は大きく3つの層に分かれています。最初の層は今回の軍事作戦そのものへの疑問です。

アメリカがイランを攻撃した名目は核開発阻止でした。イランがウランを秘密りに蓄積し、核兵器に向かっているという主張です。一見最もらしく聞こえます。

しかし核を止めたいなら通常はまず外交を使います。交渉のテーブルを設け、参加を求め、段階的に圧力をかける。イランが協議を申し出た時期もありました。それでもアメリカはミサイルを選びました。

国際原子力機関IAEAは何と言っているか?組織的な核兵器プログラムの証拠は確認されていない。ただしアクセスが制限されているため平和的利用とも断言できないというのが公式見解です。証拠はないが否定もできない。

その段階で攻撃を始めたということです。

隣人が少し大きな包丁を買ったという理由で確認もせずにドアを蹴破って踏み込んだようなものです。この構図をヨーロッパはしっかり見ています。そして頭に浮かぶのが2003年のイラク戦争です。

あの時もアメリカは大量破壊兵器があると断言しました。世界最高水準の情報力を持つ国の言葉をヨーロッパは信じました。イギリスは約4万6000人を派生し、ポーランド、デンマーク、オランダ、スペイン、イタリアを含む20カ国が参戦しました。

結果は皆さんご存知の通りです。大量破壊兵器はどこにもありませんでした。最初から存在していなかったのです。イギリスだけで179名の兵士が戦死し、帰還した兵士の多くは深刻なPTSDを抱えました。

各国が投じた戦費は天文学的な数字に登りました。アメリカからの謝罪はなく、情報が謝っていたという一言で幕されました。失ったのはお金ではなく若者たちの命だったというわけです。アフガニスタンも同じでした。

2001年から20年間ヨーロッパはアメリカと肩を並べて戦いました。

ドイツは59名、イギリスは457名の兵を失いました。そして2021年アメリカは事前通告なしに撤退しました。一夜にしてカブール空港は大混乱に陥り、離陸する飛行機にしがみついた人々が墜落していく映像は今も記憶に焼きついている方が多いでしょう。

20年間共に戦った同盟国に撤収するの一言だけ投げて去ったのです。これが背信でなければ何というのか。イラクで1度裏切られ、アフガンで足元を救われた。その経験がヨーロッパの政治家のDNAに刻み込まれています。

アメリカが始めた戦争に乗り込むのは入り口は自由でも出口は地獄だという轍としてトニーブレアの宣言を見てください。イラク参戦を決断した代償として、彼はブッシュのプードルという汚名を背負うことになりました。

今のヨーロッパでその道を再び歩みたい政治家は1人もいません。ただ過去のトラウマだけが全てではありません。もっと即物的で切実な問題がヨーロッパの喉元に廃を突きつけています。

世界地図を見てみましょう。ヨーロッパからイランの首都とテヘランまで飛行機でおよそ5時間です。東京からソールよりも少し長い程度の距離感です。アメリカには大西洋という巨大な干渉地帯があります。

ヨーロッパにはそれがありません。地中海を渡ればすぐに中東です。これが意味するのは中東で火の手が上がれば最初に火の子を葬るのはヨーロッパだということです。ドイツだけでシリア難民が約80万人暮らしており、フランスには北アフリカ、中東系の移住者が数百万人います。

イギリスもスウェーデンもベルギーも同様です。その圧倒的多数は普通に生活する市民ですが、数百万人の中の本のわずかが極端に反応するだけで街の中で取り返しのつかないことが起きます。

2015年のパリ同時多発テロでは130人が死亡。2014年のブルッセル空港爆破では32人が犠牲になりました。2011年のマンチェスターアリーナ爆破では10代の少女たちが集まるコンサート会場で爆発が起き22人が命を落とし、そのうち半数が子供でした。

これらに共通するのは全て中東情勢との連鎖です。ヨーロッパは血の教訓として知っています。中東への関与を深めるほど時刻内でのテロリスクが跳ね上がることを今回の作戦が始まってから参戦していないにも関わらずヨーロッパ各地でテロの基地が相ついで適発されています。

イラン革命防衛隊がヨーロッパ駅内の施設を攻撃対象として名ざししたという情報まで出ています。もし参戦すればどうなるか考えるだけで背筋が凍ります。自国民テロで犠牲になった時、その責任をアメリカが片わりするはずがありません。

全て自分の首が飛びます。それと同時にヨーロッパの政治家たちにはもう1つの計算が働いています。それは選挙です。ウクライナ情勢を思い出してください。22年の回戦以来、ヨーロッパは軍事支援、経済援助、難民受け入れ費用合わせて数千億ユーロを投じてきました。

その財源は当然国民の税金です。ドイツでは電気料金がほぼ倍になり、パンや牛乳が数十%値上がりしました。給料は変わらないのに生活費だけが上がり続け、国民の怒りは限界点を超えています。ここへもし指導者が今度はアメリカを助けてイランとも戦います。

費用は税金で賄いますと宣言したらどうなるか。次の選挙で完全に終わります。スペインのサンチェス首相がアメリカに最も強く反発しているのも高潔な理念からではありません。スペインは若者の出業率がヨーロッパ屈の高さで若者4人に1人が仕事を持てていません。

その状況で戦を使えば次の選挙結果は見えています。アメリカと対立するほど国内指示率が上がる。これが現在の構図です。イタリアのメローニ首相も本来は強行右派でアメリカとの関係も深い人物です。

それでも今回は距離を置いています。国家債務がGDPの140%を超えており、ここに戦を上乗せすれば国家財政が崩壊しかねないからです。ヨーロッパ各国の指導者の頭の中では1つの計算式が回り続けています。

参戦すれば戦造、物価高等、エネルギー機器最来、テロリスク急上昇、そして選挙大敗。アメリカを無視すればトランプ氏に怒鳴られるが、国民は拍手喝采。政治家にとってこれほど明解な選択はありません。ここで1歩引いて、より大きな構図を見なければなりません。

今回の出来事の表層にあるのはタになき作戦への拒否、過去のトラウマ、テロへの恐怖、選挙計算という4つの動機です。しかしその地下に流れているのは戦後80年続いてきた世界秩序そのものの変容です。

パックスアメリカナという言葉があります。アメリカによる平和を意味する語です。1945年以降アメリカは世界の警察として機能してきました。どこかで紛争が起きればアメリカが出動し、その代償として世界はアメリカ中心の秩序に従ってきた。

その体制が80年近く続きました。その80年ものシステムに今まさに致名的な気裂が走っています。トランプ氏の行動を振り返ってみてください。NATOに防衛費、GDP費5%への引き上げを迫り、払わなければ守らないと脅した。

ヨーロッパに完全の圧力をかけたグリーンランドをデンマークに圧力をかけて買収しようとした。ウクライナへの支援削減を宣言した。カナダの統合まで口にしました。同盟国を敵のように扱い敵国には更に歩み寄った。

75年の同盟市場、このようなことは1度も起きていませんでした。マンションの管理人が30年間住民を守り続けてきたとします。不審を追い払い、夜間の巡もこなして住民は安心して暮らせていた。ところが、ある日突然その管理人がこう言い出した。

管理費を5倍にしろ。払わなければやめる。気に入らない部屋は守らない。住民はどうするか。最初は驚き、次に怒り、そして最終的にこう考えます。

あの管理人はもう信頼できない。自分たちで防犯システムを整えようとヨーロッパは今まさにその最終段階に到達しています。重要なのはこれはトランプ氏個人の問題ではないということです。

バイデン政権でもアフガン撤退は事前競技なしで断行されました。アメリカファーストはトランプ氏だけの思想ではなくアメリカという国家そのものの変容です。なぜ我々が世界の警察を続けなければならないのかという声がアメリカ国内で民主共和両等を問わず高まっています。

冷戦時代はソ連という共通の脅威があり団結の理由が明確でした。しかしソ連崩壊後アメリカにとってヨーロッパを守る同機は薄れ続け中国という新たなライバルの対当でアメリカの視線は太平洋へ移りました。この変化を察知したヨーロッパは即座に動き出しました。

払わなければ守らないとれた瞬間、ヨーロッパの返答は?では自分たちで武装するでした。NATO加盟国はGDP費5%への国防費引き上げで合意しています。数年前まで2%すら達成できない国が続出していたことを思えばその変化の規模も分かります。

ドイツの転換が最も劇的です。第二次世界大戦の戦犯国という歴史的な錘から80年近く軍事力を押さえてきたドイツが国防費増額計画を6年前倒しで実行に移しました。80年間やらなかったことを一気に決断した。それほど切迫しているということです。

フランスは自国の空母を中東に配備する計画を立て、ポーランドはヨーロッパ最強の陸軍を目指して大規模な兵器調達に乗り出しました。ルーマニア、ノルウェイ、フィンランドまで全て軍備強化に動いています。

そしてここにこの話の最も注目すべき逆説があります。ヨーロッパが一斉に軍拡の財布を開いた。当然アメリカ製の兵器を買うと誰もが思った。しかし現実は違いました。

アメリカ製には深刻な問題が2つあります。1つは価格です。アメリカ戦車1両の価格で他国の戦車が2両を変えます。もう1つは納期で発注してから数年待ちはざです。今すぐ兵器が必要なヨーロッパに数年末余裕はありません。

この需要の空白に飛び込んできたのが日本の防衛産業です。ここ数年でヨーロッパ市場における日本の存在感は急速に高まっています。コストパフォーマンスが圧倒的で同等の性能をアメリカ性の半分程度の価格で提供できるケースが増えており、同じ予算で調達できる兵器の数が倍近く変わります。納期も早い。

日本の防衛産業は長年にわって蓄積された技術と生産体制を持ち、受注から引き渡しまでのスピードでアメリカ性を大きく上回ります。何より実践に即した設計思想があります。

日本は中国、ロシア、北朝鮮という現実の脅威に隣接しながら70年以上にわって高度な抑を維持してきた国です。厳しい安全保障環境の中から生まれた技術体系が今のヨーロッパのニーズと合致しています。

2022年に防衛装備移転3原則の運用指針が見直され、従来の枠を超えた装備品移転が可能になったこともこの流れを加速させています。英国とは次世代戦闘機の共同開発を推進中でイタリアも加わった3加カ国プロジェクトとして2035年の配備を目指しています。

これは単なる兵器の売買ではなく技術基盤そのものを共有するパートナーシップです。ただここで立ち止まって冷静に見ておかなければならないことがあります。

この話を日本にとっての朗報として喜んで終わるのは本質の半分しか見ていません。ヨーロッパで起きていることを日本自身の問題として重ねてみる必要があります。日米同盟は70年以上の歴史を持ちます。

在日米軍は日本の安全保障の根幹をなしています。しかしトランプ氏はヨーロッパに何と言いましたか?防衛費を上げろ。上げなければ守らない。この要求が日本だけに向けられないと誰が保証できるでしょうか?すでに兆候は出ています。

アメリカの国家安全保障戦略には日本の防衛費拡大への言及が盛り込まれました。トランプ氏が在日米軍の駐留経費を数倍に引き上げるよう求めた前例もあります。

いつでも再び同じ要求が来る可能性があります。もっと根本的な問題があります。アメリカの戦略的焦点は今対中に完全に移っています。

台湾で緊張が高まった時、朝鮮半島で何かが起きた時、アメリカは日本のために中国やロシアと正面から対峙するのか?ヨーロッパの事例を見ればその答えは自明ではありません。

ヨーロッパはすでに動き出しました。アメリカなしでも自分たちを守れる力を積み上げています。

ドイツが80年ぶりに軍事力を育て始め、ポーランドがヨーロッパ最強の陸軍を目指し、フランスは核力をヨーロッパ全体に拡大する議論まで始めています。

では日本はどうでしょうか?防衛費のGDP費2%への引き上げを決断し、反撃能力の保有を明確にし、南西諸島の防衛体制を強化している。

方向性は正しいと思います。しかしそれで十分化という問に自信を持って答えられる人は多くないはずです。北朝鮮の弾道ミサイル開発は止まっていません。中国の軍事力は年々膨張しています。

ロシアと北朝鮮の軍事協力は日ごとに露骨になっています。この東アジアの厳しい致性学的環境の中でアメリカという1枚のカードだけに日本の名運を委ねることができるのか。

スティックマンが今日の話から引き出す教訓は1つです。信頼を失った同盟は張り子の虎に過ぎない。国を守る力は最終的に自分たちの中から生まれければならないということです。

日米同盟を維持しながらもその同盟が由来でも倒れない自立した安全保障と経済力を築くこと。

同盟は保険であって全てではありません。保険だけを信じて健康管理を人間はいつか倒れます。国家も同じです。世界の構造が変わっている今、その備えを始めるタイミングはまさに今しかありません。

 
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