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「おかげさま」と「身から出たサビ」

毎月1日は、「心が熱くなる365人の仕事の教科書」(到知出版社)から一話ご紹介します。
今回は、ノーベル賞受賞者「山中伸弥」氏のお話です。


「おかげさま」と「身から出たサビ」

山中伸弥
京都大学iPS細胞研究所所長


私は子供の頃から病弱で、中学に上がった時も、ガリガリの体形でした。そんなんじゃダメだと父親に言われまして、柔道部に入ったんです。高校を卒業するまでの六年間、一生懸命取り組みました。
柔道だけに限りませんけれども、普段の練習は実に単調なんですね。毎日二、三時間ほど練習しましたが、とにかく苦しいし、楽しくない。その上、柔道は試合が少ないんです。野球やサッカーはしょっちゅう試合があるから、モチベーションを保ちやすいと思うんですけど、柔道の場合、三百六十五日のうち三百六十日は練習で、残りの五日が試合。
試合に勝ち進めばまだいいんですけど、負けたらまた半年間はひたすら練習をする。その単調さに負けない精神力、忍耐力はすごく身につきました。
これは今の仕事にも生かされています。研究こそまさに単調な毎日で、歓喜の上がる成果は一年に一回どころか、数年に一回しかありません。だから、柔道と言うスポーツを経験したことは非常によかったと思っています。

iPS細胞の発見によりノーベル賞受賞


もう一つ、私にとって大きかったのは母親の教えです。
高校二年の時に二段になったのですが、その頃は怪我が多くて、しょっちゅう捻挫や骨折をしていました。ある時、教育実習に来られた柔道三段の大学生の方に稽古をつけてもらったことがありましてね。投げられた時に、私は負けるのが悔しくて受け身をせずに手をついたんです。で、腕をボキッと折ってしまった。
その先生は実習に来たその日に生徒を骨折させてしまったということで、とても慌てられたと思うんです。私が病院で治療を終えて帰宅すると、早速その先生から電話がかかってきて、母親が出ました。その時、「申し訳ないです」謝る先生に対して、母親は何と言ったか。「いや、悪いのはうちの息子です。息子がちゃんと受け身をしなかったから骨折したに違いないので気にしないで下さい」と。
当時は反抗期で、よく母親と喧嘩してたんですけど、その言葉を聞いて、輪が親ながら立派だと尊敬し直しました。

ノーベル賞学者を支えた母


それ以来、何か悪い事が起こった時は「身から出たサビ」、つまり自分のせいだと考え、反対にいい事が起こった時は「おかげさま」と思う。この二つをわたし自身のモットーにしてきました。
上手くいくと自分が努力をしたからだとつい思ってしまうものですが、その割合って実は少ない。周りの支えや助けがあって初めて、物事は上手くいくんですね。
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