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草原の輝き

13年前の今日2012年12月11日、松山ケンイチ、菊地凛子主演の映画「ノルウェイの森」が公開されました。 小説はその性的表現に、教育者の目を細めさせたり、批判の対象とされたこともあった。 「ノルウェイの森」にテーマが類似するのが、少し古くなるが1961年公開のアメリカ映画、 エリア・カザン監督「草原の輝き」がある。 悲恋であり、女性が精神を病み療養治療を受ける点で共通する。 



主演はナタリー・ウッドとウォーレン・ベイティ。 村上春樹さんは「草原の輝き」について次のように語っている。 
あるいは僕の涙腺が弱すぎるせいかもしれないが、観るたびに胸打たれる映画というのがある。 『草原の輝き』もそのひとつである。 『アメリカン・グラフィティ』を観たときもふとこの映画のことを思いだして哀しい気持ちになってしまった。 僕はナタリー・ウッドの演技を観て感心した記憶は殆どないが、この映画だけは唯一の例外である。 青春というものの発する理不尽な力に打ちのめされていく傷つきやすい少女の心の動きを 彼女は実に見事に表現している。


 
ナタリー・ウッドについての村上さんの意見は的を得ている「理由なき反抗」や「ウエストサイド物語」 の彼女は少しもいいとは想わないが、「草原の輝き」の彼女は、本当に凛とした佇まいで美しい。 パーフェクトだ。 



「草原の輝き」はハイスクールに通う男女の恋愛が描かれる。 しかし、ふたりが結ばれることはない。 
ひとは愛する相手を傷つけないでは生きていけない。 たとえそれが親子であろうと恋人であろうと。 そういう人間存在の哀しみが、この作品にはある。 そしてそれは間違いなく「ノルウェイの森」へと繋がってゆく。 「草原の輝き」で引用されるワーズワースの詩は次のような内容である。 

      かつては目を眩(くら)ませし 光も消え去り 
      草原の輝き 花の栄光 
      再びそれは還 (かえ)らずとも なげくなかれ 
      奥に秘められたる力を見いだすべし 

これは正しく「ノルウェイの森」の主題と直結している。 成就しない恋愛。 それこそが真の恋愛であり、『純愛』と呼べるものだと。
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