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日いづる国の啓示

東日本大震災の後、世界中で日本人の行動が高く評価されている。「日本(日いづる国)での人々の行動は神の啓示であり世界の人々が学ばねばならない」と世界中にメールが発信された。

2011年3月11日14時46分東北地方を中心とする、日本周辺における観測史上最大のマグニチュード9.0の巨大地震が発生した。震源域は岩手県沖から茨県沖まで南北500km、東西200kmの約10万㎢に及ぶ。最大深度は宮城県栗原市で観測された震度7。この地震による津波は大規模で、最大遡上高40.1mに達した。

地震から約1時間後に遡上高14 - 15mの津波に襲われた東京電力福島第一原子力発電所は、1 - 5号機の全てで全交流電源を喪失した。原子炉を冷却できなくなり、1 - 3号炉で炉心溶融(メルトダウン)が発生。大量の放射性物質の漏洩を伴う重大な原子力事故に発展した。この事故は国際原子力事象評価尺度で最悪のレベル7、チェルノブイリ原子力発電所事故と同等に位置づけられている。




一刻も早い東日本大震災からの復興を成し遂げられるよう、被災地に寄り添いながら、 前例にとらわれず、果断に復興事業を実施するための組織として、内閣に設置された組織です。



被災地の教訓を語り継ぐために、防災・減災の工夫、災害対策、新たなまちづくりなどの取組を紹介します。
被災地ならではの課題に向き合い、新たに生まれた技術の数々。未来の生活や産業につながる、最新技術の取組を紹介します。
地域の復興には、食・水産業の再生が欠かせません。地域を巻き込んだ新たな取組は未来への希望を育みます。その力強い実例を紹介します。​




「10 things to learn from Japan (日本から学ぶ10のこと)」

少し前になりますが、2013年2月10日(日)の毎日新聞,2面の「時代の風」欄に,元世界銀行副総裁の西水美恵子さんによる寄稿,「東日本大震災から2年 日本から学ぶ10のこと」が掲載された。



西水さんは大震災の日,イギリス領バージン諸島にいた。東京に出張していた世界銀行ワシントン本部の元部下の女性が,東京からの電話で巨大地震の発生を知らせてくれた。この元部下は,地震直後の東京で,多くの人が整然と助け合っていることに感動していたという。

この元部下は,その後ワシントンに戻り,「これが世銀やIMF(国際通貨基金)はもとより世界中を駆け回っている」と,あるメールを転送してきた。

「10 things to learn from Japan」と題されたこのメールには,次のように書かれていたという。なお,この記事には著者による日本語訳のみが出ているのだが,インターネットで調べた英文も合わせて書いておくことにする。


「10 things to learn from Japan」
(日本から学ぶ10のこと)


1.The Calm(平静)
Not a single visual of chest-beating or wild grief. Sorrow itself has been elevated.
(悲痛に胸を打つ姿や,悲嘆に取り乱す姿など,見当たらない.悲しみそのものが気高い)

2.The Dignity(威厳)
Disciplined queues for water and groceries. Not a rough word or a crude gesture.
(水や食料を得るためにあるのは,秩序正しい行列のみ.乱暴な言葉や,無作法な動作など,ひとつとてない)

3.The Ability(能力)
The incredible architects for instance. Buildings swayed but didn’t fall.
(例えば,驚くべき建築家たち.ビルは揺れたが,崩れなかった)

4.The Grace(品格)
People bought only what they needed for the present so everybody could get something.
(人々は,皆が何かを買えるようにと,自分に必要なものだけ買った)

5.The Order(秩序)
No looting in shops. No honking and no overtaking on the roads. Just understanding.
(店舗では,略奪が起こらない.路上では,追い越し車も警笛を鳴らす車もない.思慮分別のみがある)

6.The Sacrifice(犠牲)
Fifty workers stayed back to pump sea water in the N-reactors. How will they ever be repaid?
(50人の作業員が,原子炉に海水をかけるためにとどまった.彼らに報いることなどできようか?)

7.The Tenderness(優しさ)
Restaurants cut prices. An unguarded ATM is left alone. The strong cared for the weak.
(レストランは,値を下げる.無警備のATM(現金自動受払機)は,そのまま.強者は弱者を介助する)

8.The Training(訓練)
The old and the children everyone knew exactly what to do. And they did just that.
(人も子供も,すべての人が,何をすべきか知っていた.そして,すべきことをした)

9.The Media(報道)
They showed magnificent restraint in the bulletins. No silly reporters. Only calm reportage.
(崇高な節度を保つ速報.愚かな記者やキャスターなどいない.平静なルポのみがある)

10.The Conscience(良心)
When the power went off in a store people put things back on the shelves and left quietly!
(停電になった時,レジに並んでいた人々は,品物を棚に戻して静かに店を出た)

Truly Inspirational --what is happening in the Land of the Rising Sun.
日いずる国で起こっていることに.真の啓示を感じる。

私自身,この記事を読むまで,「日本から学ぶ10のこと」の存在を全く知らなかった。インターネットで調べてみると,これらの内容は震災後の比較的早い時期,2011年の3月末には世界中に広がっていたようである。

取り上げられた10項目,実際は記述されている通りではなく,いろいろなことがあったのは事実である。例えば,留守になった住居からの盗難事件なども発覚している。かなり美化されていることは,その通りである。しかし,いろいろあったのだけれども,世界の他の国々と比較すると,やはり,相対的にこのように表現できるのかもしれない。私たちは,震災直後の日本人の行動を誇っていいのではなかろうか.この「日本から学ぶ10のこと」が,いつまでも語り繋がれること,そしていつまでも日本人がこのような行動規範を持ち続けることを期待したいものである。

さて,西水さんの記事では,復興の遅れを世界中の人に指摘されることが多くなったこと,でもまだ多くの被災者は希望を失わずにいること,などを指摘する.そして,記事の最後を次のようにまとめる。

「そして,私たちがあたりまえだと思っていることを,いかに世にまれなことかと驚異の念をもってたたえ,だから日本は大丈夫と支えてくれる人々が,世界に大勢いることも……」

震災から15年を経た今,再び震災を振り返り,この間の私たち一人ひとりの活動を点検し,さらに,行政も含めた様々な組織の活動を検証しつつ,復旧・復興の在り方がこれでいいのか,最善の道を歩んでいるのかどうか,問い直すべきときなのであろう。
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