2025.9.28
介護業務の在り方
〈研究ノート〉
2025年問題を見据えた介護業務のあり方に関する検討
-介護現場のDX推進における課題とテクノロジーの活用-
村 上 逸 人
要旨
本研究は長寿社会における2025年問題を見据えて、介護業務の在り方と、介護現場のDX推進における課題とテクノロジーの活用について論じた。2025年のタイミングで引き起こされる介護業務についての課題、厚生労働省の介護人材確保対策資料や、厚生労働省「『2040年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材)』に基づくマンパワーのシミュレーション」、経済産業省「将来の介護需要に即した介護サービス提供に関する研究会報告書」を取り上げ介護職員不足の現状を俯瞰し、介護業務とテクノロジー利用による人材定着について検討した。
経済産業省「デジタルトランスフォーメーションDX レポート ~IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~」を用い、レガシーシステムからの脱却・システム向上とDX推進について検討した。2025年問題が介護施設に与える影響と、介護現場におけるDX推進における課題と、テクノロジーの有効利用による介護業務の在り方について考察した。
1 はじめに
国立社会保障・人口問題研究所によるとわが国の総人口は、1 億2530万9 千人であり、少子化の影響を受け2008 年の1 億2808 万人をピークに長期にわたる 人口減少が続き、2065 年には8080 万人になると推計されている。続いて65 歳以上の高齢者人口は2042 年にピークを迎え3935万人となる。
その後は減少過程に入るが、生産年齢人口や年少人口の減少により相対的に高齢化率は上昇し2065 年には38.4% が老年人口と予測されている。わが国は、医学の進歩、生活環境の改善、栄養状態の改善、健康意識の高まりなど、多くの要因が折り重なって平均寿命や健康寿命の伸長したことにより、長寿社会が実現し「人生100 年時代」と呼ばれるようになった。
長寿社会となった今、老老介護、認認介護、老後破産、下流老人など不安とリスクを抱えながらの生活が待っていることが、マスコミで取り上げられている。
そこで本稿では、長寿社会になったわが国の2025 年問題を見据えて、介護業務の在り方に関する検討と、介護現場のDX 推進における課題とテクノロジーの活用について考察を行う。
2 2025 年問題
2025 年問題は、2025 年までに団塊の世代(1947 年~ 1949 年生まれ)が、75 歳以上の後期高齢者となるタイミングで引き起こされる様々な社会課題である。
はじめに、就業者の状況をみてみると、厚生労働省社会保障審議会・介護給付費分科会の介護人材確保対策資料「第8 期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」1よると、第8 期介護保険事業計画の介護2025 年問題を見据えた介護業務のあり方に関する検討サービス見込み量等に基づき、都道府県が推計した介護職員の必要数を公表している。
2019 年度には211 万人、2023 年度には約233 万人、2025年度には約243 万人(2019 年度に比べ約32 万人増)の介護職員を確保する必要があると推計している。介護保険の開始時の2000 年には要介護(要支援)者は 218 万人であったものが、2021 年度には 679 万人となり3 倍以上に増加している。介護福祉士の登録者数は2021 年度9 月現在で181 万3112 人となっている。また、211.9 万人の介護職員(2020 年度)が介護サービス事業所、介護保険施設に従事しているが、介護職員の需給ギャップがみられ、介護職員が不足するとみられている。
つぎに、厚生労働省「『2040 年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材)』に基づく マンパワーのシミュレーション」2によると、2025 年における、介護施設利用者は117 万人、居住系施設56 万人、在宅介護利用者は412 万人となる見込みである。
介護分野で生産性が向上した場合のシミュレーションでは、2025 年に計画ベースでは406 万人と見込まれるが、生産性が向上した場合479 万人の就業者数を見込むシミュレーション結果を、ICT 等の活用により2.8 人に対し1 人程度の配置で運営を行っている施設があることなどを踏まえ、医療・介護サービス全体的に5% 程度業務の効率化が図られる前提で議論している。この先、現役世代である。労働人口は少子化を受けて減少いくため、わが国の介護分野の労働人口も不足していくことが見込まれている。
経済産業省は「将来の介護需要に即した介護サービス提供に関する研究会報告書」 3を実現するためには、介護サービス提供に係る労働時間の短縮、労働負荷の軽減が不可欠」としている。先の報告書では4 つの柱として「先進的なセンサー技術の活用」「データ化による生産性向上とPDCA サイクル」「ロボット等の活用による負荷の軽減」「大規模化による効率化」による「スマート施設介護」を提言している。
厚生労働省「第8 期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」4では、「多様な人材の確保に向けて、介護分野への介護未経験者の参入を促進するため、より多くの方が介護を知る機会とするとともに、介護分野で働く際の不安を払拭できるよう、介護に関する入門的研修の実施に関する基本的な事項を定め、研修実施を推進」するとしている。
そのほか同書において「人材育成等に取り組む介護事業者の認証評価制度」を取り入れるとしている。さらに介護職員の人材育成や就労環境等の改善につながる介護事業者の取組みについて、都道府県が基準に基づく評価を行い、一定の水準を満たした事業者に対して認証を付与する制度」を導入することによって「介護業界のイメージアップ」をはかり、「働きやすい環境の整備」によって介護職を志す人や介護職の離職防止と定着促進をねらう制度を進めている。さらに「介護現場における多様な働き方導入モデル事業」をすすめ、「リーダー的介護職員の育成を行うとともに多様な働き方」と、「柔軟な勤務形態の介護事業所」の導入をはかって人材定着をすすめていくことを提言している。
3 2025 年の崖
2025 年の崖とは、経済産業省の「デジタルトランスフォーメーションDX レポート~ IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~」(2018)の中で取り上げられ「多くの経営者が、将来の成長、競争力強化のために、新たなデジタル技術を活用して新たなビジネス・モデルを創出・柔軟に改変するデジタルトランスフォーメーション (以下DX と表記する)の必要性について理解している」一方で 「既存システムが、事業部門ごとに構築されて、全社横断的なデータ活用ができなかったり、過剰なカスタマイズがなされているなどにより、複雑化・ブラックボックス化 」しているため、「 経営者がDX を望んでも、データ活用のために上記のような既存システムの問題を解決し、そのためには業務自体の見直しも2025 年問題を見据えた介護業務のあり方に関する検討求められる中、 現場サイドの抵抗も大きく、いかにこれを実行するかが課題」となっていることがレポートされている。
この先「この課題を克服できない場合、DX が実現できないのみだけでなく、2025 年以降、最大12兆円/年(現在の約3 倍)の経済損失が生じる可能性」があるため「2025年までにシステム刷新を集中的に推進する必要」性を述べたものである。
このレポートによると、レガシーシステムを刷新するために多大なコストがかかるだけでなく、複雑化・ブラックボックス化したシステム内容を把握することは困難であることや、新しいシステムに刷新すると、使用方法や新しい技術の習得が必要となり従業員の負担につながる。そうした視点から、経営していくためには、現在のままのレガシーシステムを使い続けざるを得ないことが大きな課題となっていることを報告している。つまりDX の進展を進めていくことで、現状からシステムをより向上させ、DX
を進展させることの必要を指摘している。
4 2025 年問題が介護施設に与える影響
わが国の介護問題には高齢者の増加見込まれる一方で、介護費用の負担を40 代以上の現役世代の減少と介護サービスを受ける65 歳以上の増加による費用負担の問題が懸念されている。介護に従事する人材不足も喫緊の課題となっている。政府は人材不足の一端を担う外国人材導入のため技能実習制度や特定技能実習などの制度を設けたが、コロナ禍による入国者の制限の継続は国内の人材獲得競争を激化させている。
加えて給料を本国へ送金したい外国人にとっては、現在の円安は日本で働く魅力を低下させる要因となっている。そのほかには、潜在介護士として介護福祉士等の資格取得者や介護経験のある人材の職場復帰を支援している。つぎに2022年2 月から「介護職員処遇改善加算」を取得している介護施設などの現場で働く介護職員を対象に賃金改善が示されている。介護人材不足解消に村 上 逸 人期待されているのが、介護ロボット技術の活用により介護現場の「人手不足の解消、働き方改革への貢献、生産性の向上」5 等の課題解決の可能性を有している。
介護保険法が施行後、「天井走行リフトや機械浴槽などの大型の介護機器が多く設置」されたが、「電動式介護機器の導入が進む一方で、導入された介護機器がその後に施設で使用されない問題が指摘されはじめ」た。「操作性や作業効率の悪さが挙げられ」「なかには、人手の介護に拘り介護者が機器の利用に抵抗を抱くこと」も報告された。同様な言質は、「人が人力によって『ぬくもり』や『思いやり』を感じるという介護観のなかで長年行われてきた」と汲田が指摘しているように、介護現場には思いやりの心と情緒的なかかわりを重視した考えが根強く、介護機器の使用に否定的な側面がみられている。
加えて、石田は「ケアはあくまで人と人との営みから成り立つものとする考えが強い」ことや、ケアを「科学的手法によって分析することについての抵抗感や違和感が否めない部分がある」ことを述べている。さらに阿部は「慢性的な人材不足の問題を抱え、勤続年数も相対的に短いとされる介護職が実際にケアを提供している現場では、そこに従事しているスタッフによる経験則や属人的要素に左右されるケアもいまだ少なからずあるのではないかと推測」した上で科学的な根拠に基づくケアへの道筋をつけていく必要性について報告している。
介護業務とは、どのようなものであるかについて、介護職の歴史を振りかえる。当初は、「特別養護老人ホームで直接介護にあたる寮母について、当時格別の資格の規定はなく…家庭の主婦であれば十分勤まる仕事である」と思われていたところから始まっている。1987 年、寮母に対してさらに専門的な研修を行い、「福祉寮母」の資格を与えていた。
時を経て、1987 年には社会福祉士及び介護福祉士法が成立した。介護福祉士の業務として社会福祉士及び介護福祉士法第2 条第2 項には『この法律において「介護福祉士」とは、第42 条第1 項の登録を受け、介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害がある2025 年問題を見据えた介護業務のあり方に関する検討ことにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護(喀痰かくたん吸引その他のその者が日常生活を営むのに必要な行為であつて、医師の指示の下に行われるもの(厚生労働省令で定めるものに限る。以下「喀痰吸引等」という。)を含む。)を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うこと(以下「介護等」という。)を業とする者をいう。』とあり、介護行為だけが介護福祉士の役割ではないことがわかる。
つぎに公益社団法人日本介護福祉士会は、介護福祉士の専門性について「利用者の生活をより良い方向へ変化させるために、根拠に基づいた介護の実践と共に、環境を整備することができること」と定義しており、①介護過程の展開による根拠に基づいた介護実践、②指導・育成、③環境の整備・多職種連携の3 項目で整理している。石川は、介護労働の特性について「介護サービスの提供とその利用は、場所・時間が同一」であり「成果はモノではなく、具体的援助に表出され、可視化できる。
三菱UFJ リサーチ& コンサルティング(2016)の特別養護老人ホームにおける良質なケアのあり方に関する調査研究事業報告書によると、入所者生活の質の維持向上、意思、自己決定の尊重、生きがい支援、自立支援、その人らしく暮らすこと、個別ケア、これまでの生活との継続性の確保、家族・親族等との交流など介護職員が重視しているのは、個人個人の生活、意思、個別性を重視していることに加え、残存能力の活用、積極的な機能訓練の実施、居宅への退所
支援が非常に重要であると報告している。
三菱UFJ リサーチ& コンサルティング(2016)介護人材の類型化・機能分化に関する調査研究報告書によると、「①利用者のケアに関するもの(アセスメント、身体介護、観察等)と②チーム運営に関するもの(教育、シフト管理、チーム統制等)の2 つに分類している。具体的には①が、特定の利用者(認知症BPSD、ターミナルケア、障害者へのケア)に対するケア、身体介護、生活援助、ケア方針の指示、情報取集・観察・報告の5 種類に整理している。
公益社団村 上 逸 人法人全国老人福祉施設協議会(2022)の介護分野における生産性向上について、①職場環境の整備、②業務の明確化と役割分担、③手順書の作成、④記録・報告様式の工夫、⑤情報共有の工夫、OJT の仕組みづくり、⑦理念・行動指針の徹底の7 要素をあげている。介護職員に対して、業務フローや意識改革をうたいマクロの生産性向上を訴えている。
以上の点からみると、食事、入浴、排泄といった介護だけでなく、認知症者への精神的な介護など直接利用者と関わる、介護の必要性が高い業務があることがわかる。浅石が述べる「介護職員が気付かないうちに非効率的に様々な業務を担わされることで、本来専門性を発揮して行われるべき業務の質が置き去りにされてしまう」12と指摘しているように、介護業務の見直しとテクノロジーの活用が必要であることが理解できる。
これまで根拠の積み重ねができていなかった介護の現場において科学的介護情報システム(Long-term care Information system For Evidence以下LIFE と表記する)の導入が2021 年4 月から進められてきている。「根拠(エビデンス)に基づく介護」を実践していくことが、求められるようになった。科学的介護とは、科学的に妥当性のある指標等を収集分析し、介護現場の介護に分析結果をもとに、裏付けに基づく介護の実践をする仕組みである。
同時に介護報酬にも「科学的介護推進体制加算」が設けられている。この加算獲得のため、眠りスキャンやセンサーなど各種のシステムを導入し、個々の利用者の状態やニーズに合わせて、適時適切な介護サービスを提供することをめざしていく施設も現れてきた。一部の介護現場ではICT 機器の導入に伴う混乱や、日頃のケア業務に加えて必要なデータ入力をすることによる業務過多への不安、そのほかキーボード操作に不慣れな職員を抱えている事業所の中からは、従前の申し送りノートに戻ってしまったところも散見している。
しかしながら、手書きの介護報酬資料の電子化、介護報酬のレセプト伝送から始まった介護現場のICT 化は避けて通れない関門である。介護に2025 年問題を見据えた介護業務のあり方に関する検討従事する人材不足を補う一助として、介護過程と介護記録の電子データベース化が進んできている。介護現場のICT 化によって、介護業務の効率化、省力化がパッケージとなり、ひとつの大きな流れとなってきているとみられる。
LIFE が導入されて以降、経営の側面からも加算の取得を進めている介護事業所もある。介護職員は、日々の介護業務に加えてデータ入力業務が入ってきた。ICT 機器の導入と活用に取り組んでいる先駆的施設では、見守り機器や各種センサーの導入、連絡用に従来の電話に代えトランシーバーインカム、スマートフォンなどを使用し施設内の連絡や現場への情報伝達など一斉連絡やヘルプ要請に活用し、介護業務に集中できる環境を整えている。
またインターネットが普及していた1990 年代以後に生まれたデジタルネイティブと呼ばれるZ 世代の若い介護職員は、スマートフォンやタブレットの入力とその操作に関しても問題なく受け入れて活用できることが予想される。しかし、介護福祉現場に従前から携わっている1960 年代から1990 年代前半までの世代の介護職員にとっては、LIFE 導入に端を発した福祉テクノロジーに対する懐疑的な立場の変更を迫るものになっている。
厚生労働省が 2019 年に取りまとめた 「介護現場革新プラン」においては、介護人材の不足、現役世代が減少していくなか、介護現場の生産性向上が課題とされ、介護現場の担い手不足解消や業務の専門性の向上のための方策として 介護ロボット・センサー・ICT の活用が考えられ、介護サービスの質の向上および業務効率化を推進する手法が提示されている。
2018 年度には、介護ロボットの活用促進を図る観点から、特別養護老人ホームおよびショートステイの夜勤職員配置加算について、見守り機器の活用を報酬上評価された。さらに2021 年度介護報酬改定では、さらなる活用と評価を図る視点から見守り介護ロボット導入による夜間の介護職員村 上 逸 人配置加算をしている。
2019 年度に、介護現場革新会議の基本方針踏まえた取組みをモデル的に普及するため、パイロット事業を7 自治体で実施している。見守りセンサーや、インカムなどのICT 機器を効果的に組み合わせ、テクノロジーの活用による業務改善の成果を挙げている先進事例がみられている。介護施設の人員配置基準は入所者3 人あたり職員1 人(3 対1)であるが、介護サービスの質確保のため手厚く人員配置している事業所もみられる。パイロット事業においては、介護サービスの質を保ちつつ、トヨタ式業務改善や見守りセンサー、ロボット、ケア記録の電子化、インカム等の活用により、2.5 対1 や2.8 対1 を実現した先進施設が報告されている。
「介護現場革新プラン」について、浅石は「介護業務として一まとめに扱われてきた業務について、介護の業務、他の専門職に任せる業務、介護の専門職以外に任せる周辺業務を切り分けて、それに対応する人や機器を考えていくという視点が新しい」と述べるとともに、「介護の周辺業務に福祉機器を積極的に導入すべき」13と論じている。
介護業務について、結城は「直接的介護業務」は、身体介護、生活援助、介護計画や支援カンファレンスとし、「間接的介護業務」は、事務処理、介護業務における組織運営の2 つに分け整理している14。
5 DX 推進における課題
政府は2022 年6 月「経済財政運営と改革の基本方針2022」を閣議決定している。その内容は、今後の医療ニーズや人口動態の変化などを踏まえ、質の高い医療を効率的に提供していくことを明記しており、機能分化と連携を重視した医療・介護提供体制を目指す方針を示している。目指すべき方向性としては、医療・介護現場でのDX の推進と、オンライン資格確認システムのネットワークを拡充して医療・介護全般の情報共有を可能とする「全国医療情報プラットフォーム」を創設するとしている。
介護現場においてもDX 推進による介護イノベーションが必要とされている。これまで、ぬくもりや思いやりを重視して介護してきただけに、介護現場においては、テクノロジー導入による機械化、ICT 化は遅れていたことは否めない状況である。テクノロジー利用に対する心理的抵抗感や、機械化や生産性向上といったワードは介護にはなじまないとする介護観もみられる。
介護保険制度が導入される前から設立されていた施設のICT 化は、レセプトの伝送化に始まり、施設内業務にコンピュータ導入がすすみ、Wi-Fi 等の整備からすすんでいる。厚生労働省によるLIFE の導入は、こういったプラットフォームの準備が十分でない施設も含めて、施設におけるリープフロッグとなった。これを契機に介護業務の内容を介護職が行うべき業務、介護ロボットなど機器化を進めるべきところ、専門職以外が担ってもよい部分と分けて考え、再検討する過渡期ではないかと思われる。
6 むすびにかえて
2025 年にむけて介護サービスのICT 化の充実や身体アシスト装置の開発により、介護職の心理的、身体的負担の軽減がなされ、利用者に向けての介護サービスついては、データ解析のフィードバックにより適時適切な介護が可能となることで、介護職と利用者双方にとって有益なテクノロジーの利用が求められている。テクノロジー対介護職の対立軸ではなく2025 年問題をはじめとした介護社会の課題に対し、既存の価値観を見直しテクノロジーの有効活用によって異なる世代を結び付け、協力のなかから新しい価値観を生み出すことができれば、介護福祉職の評価と期待され
る役割が向上するのではないかととらえている。

